JURY SUMMONS
９月になりました。
ポートランドはここ最近までとても暑い日々が続いていましたが、昨日あたりから急に涼しくなってきました。来週あたりからはぼちぼち雨の予報も出ているので段々と秋へと季節が変わってくるのかもしれません。
以前のエントリーで煙霧の話をいたしましたが、最近もポートランド近郊で大きな山火事があり、煙霧だけではなく、外を歩いていると雪のように灰がチラチラと降っていました。アメリカでは特別な病気などでない限りマスクをして外出する習慣はないのですがこの時ばかりはマスクをしている人を見かけました。現在は山火事は収束していますが、山火事の煙霧による大気汚染はいいものではありません。
さて、少し前の話なのですが、今回はJURY SUMMONSのことについて書きたいと思います。
５月のある日、こじろう宛に１通の封書が届きました。宛先を見ると、なんとCOURT（裁判所）・・・ドキッとしました。なんだろう、何か悪いことでもしたかなあ、でも訴訟沙汰になるような心あたりはありません。
恐る恐る封書を開けてみると、「JURY SUMMONS」と書かれた文書が入っていました。しかし何の文書かわかりません。
JURY・・・えーと、大学時代、英米法の講義でJURY TRIAL（陪審裁判）という言葉を聞いたことがあったな、と思い返しながら、インターネットで調べてみると、JURY SUMMONSとは「陪審の召喚状」であることがわかりました。要するにこの文書は、「裁判の陪審員を選ぶため指定の日時に裁判所に出頭せよ」というもののようです。同封されていた書類を見ると、裁判所への行き方を示す地図、陪審員に該当しない場合に裁判所へ送る返信用のハガキ、陪審員の拘束時間や支給される日当や交通費などの説明書などがありました。まずは、こじろうへの訴訟の提起や犯罪の出頭命令といった類のものではないことがわかり、とりあえずほっとしました。本当に心臓に悪いですね。
日本でも裁判員制度というものがあると思いますが、この裁判員制度のモデルとなっているのがアメリカなどの陪審員制度といえますね。つまり一般市民が裁判に参加して決めるということです。しかし、素朴な疑問としてなぜアメリカ人ではないこじろうにこの文書が来るのだろう、と思いました。
そこで、再びインターネットで調べてみると、アメリカ在住の日本人で同様に召喚状が送られてきた人のブログを発見しました。
それによると、召喚状の発送はDMVのIDの住所登録（アメリカでは日本のように市町村役場での住民登録制度がなく、DMVという運転免許と車両登録を管轄する役所が運転免許やIDに記載される登録住所を管理している）ベースで、アメリカ人か外国人かに関係なく無作為に抽出して発送しているとのこと。そのため、外国人でも召喚状を受け取る人は何度も受け取ることがあるそうです。
そのことを理解した上で、同封されたハガキを改めてみると、いくつかの陪審員になる資格から外れる旨の申告が書かれてあります。その中に「I am not a U.S. Citizen（私はアメリカ人ではない）」という項目がありましたので、それにチェックを付けて裁判所にハガキを返送しました。
後日、こじろうが英会話を習っているアメリカ人の先生にこの対応でよいかどうか確認したところ、「陪審員はアメリカ人しかなることができないので、それでよい」とのこと。ちなみにこの先生も陪審員になった経験があるとのこと。数日間拘束される上、日本の裁判員と異なり、手当も交通費＋α程度で大変だったと言っていました。この間、学校や仕事なども休むそうです。しかし、陪審はアメリカ人の裁判に参加する、国民としての重要な義務の一つなので、余程の事情がない限り拒むことはできないそうです。
ところで、ハガキを返送して１週間ほど経過した後、裁判所からハガキが送られてきました。
内容としては、「あなたは陪審員になる資格がないので、今期の陪審員候補者リストから除外する」というものです。当然と言えば当然の結果なのですが、「今期」が終わるとまた召喚状が来るかもしれませんね。
日本では外国人とわかっていて裁判員の候補者リストに入れることはしないと思います。本当にアメリカの事務手続きは大雑把な感じがしました。文化の違いを感じます。アメリカは何につけても「とりあえずやってみてだめだったら実情に合わせて修正する」という進め方をしている国のように思います。
ポートランドはここ最近までとても暑い日々が続いていましたが、昨日あたりから急に涼しくなってきました。来週あたりからはぼちぼち雨の予報も出ているので段々と秋へと季節が変わってくるのかもしれません。
以前のエントリーで煙霧の話をいたしましたが、最近もポートランド近郊で大きな山火事があり、煙霧だけではなく、外を歩いていると雪のように灰がチラチラと降っていました。アメリカでは特別な病気などでない限りマスクをして外出する習慣はないのですがこの時ばかりはマスクをしている人を見かけました。現在は山火事は収束していますが、山火事の煙霧による大気汚染はいいものではありません。
さて、少し前の話なのですが、今回はJURY SUMMONSのことについて書きたいと思います。
５月のある日、こじろう宛に１通の封書が届きました。宛先を見ると、なんとCOURT（裁判所）・・・ドキッとしました。なんだろう、何か悪いことでもしたかなあ、でも訴訟沙汰になるような心あたりはありません。
恐る恐る封書を開けてみると、「JURY SUMMONS」と書かれた文書が入っていました。しかし何の文書かわかりません。
JURY・・・えーと、大学時代、英米法の講義でJURY TRIAL（陪審裁判）という言葉を聞いたことがあったな、と思い返しながら、インターネットで調べてみると、JURY SUMMONSとは「陪審の召喚状」であることがわかりました。要するにこの文書は、「裁判の陪審員を選ぶため指定の日時に裁判所に出頭せよ」というもののようです。同封されていた書類を見ると、裁判所への行き方を示す地図、陪審員に該当しない場合に裁判所へ送る返信用のハガキ、陪審員の拘束時間や支給される日当や交通費などの説明書などがありました。まずは、こじろうへの訴訟の提起や犯罪の出頭命令といった類のものではないことがわかり、とりあえずほっとしました。本当に心臓に悪いですね。
日本でも裁判員制度というものがあると思いますが、この裁判員制度のモデルとなっているのがアメリカなどの陪審員制度といえますね。つまり一般市民が裁判に参加して決めるということです。しかし、素朴な疑問としてなぜアメリカ人ではないこじろうにこの文書が来るのだろう、と思いました。
そこで、再びインターネットで調べてみると、アメリカ在住の日本人で同様に召喚状が送られてきた人のブログを発見しました。
それによると、召喚状の発送はDMVのIDの住所登録（アメリカでは日本のように市町村役場での住民登録制度がなく、DMVという運転免許と車両登録を管轄する役所が運転免許やIDに記載される登録住所を管理している）ベースで、アメリカ人か外国人かに関係なく無作為に抽出して発送しているとのこと。そのため、外国人でも召喚状を受け取る人は何度も受け取ることがあるそうです。
そのことを理解した上で、同封されたハガキを改めてみると、いくつかの陪審員になる資格から外れる旨の申告が書かれてあります。その中に「I am not a U.S. Citizen（私はアメリカ人ではない）」という項目がありましたので、それにチェックを付けて裁判所にハガキを返送しました。
後日、こじろうが英会話を習っているアメリカ人の先生にこの対応でよいかどうか確認したところ、「陪審員はアメリカ人しかなることができないので、それでよい」とのこと。ちなみにこの先生も陪審員になった経験があるとのこと。数日間拘束される上、日本の裁判員と異なり、手当も交通費＋α程度で大変だったと言っていました。この間、学校や仕事なども休むそうです。しかし、陪審はアメリカ人の裁判に参加する、国民としての重要な義務の一つなので、余程の事情がない限り拒むことはできないそうです。
ところで、ハガキを返送して１週間ほど経過した後、裁判所からハガキが送られてきました。
内容としては、「あなたは陪審員になる資格がないので、今期の陪審員候補者リストから除外する」というものです。当然と言えば当然の結果なのですが、「今期」が終わるとまた召喚状が来るかもしれませんね。
日本では外国人とわかっていて裁判員の候補者リストに入れることはしないと思います。本当にアメリカの事務手続きは大雑把な感じがしました。文化の違いを感じます。アメリカは何につけても「とりあえずやってみてだめだったら実情に合わせて修正する」という進め方をしている国のように思います。
2017年09月15日 05:25
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